青ベタ君の読書日記📖👓

読んだままに綴ってゆきます。

「クスノキの番人」東野圭吾

実業之日本社  2020年3月25日

人々の様々な想いを受けとめる不思議なクスノキとその番人を受け継いだ青年の物語です。

 

窃盗罪で捕まつた直井玲斗は、亡き母と腹違いで年のはなれた姉、彼にとっては叔母にあたる柳澤千舟の尽力によつて、服役を免れます。彼女は大手ホテルチェーンの顧問で、初めて会つた玲斗にとっては仕事一筋の厳しい人でした。

彼女は玲斗にクスノキの番人になる事を命じます。新月と満月の晩、訳のありそうな人々が祈念と受念をするためにクスノキの元にやつて来ます。

果たしてそこでは何が行われているのか?

クスノキに預けられた肉親の情、会社の後継ぎ問題等がからんで物語は進んでいきます。なかなか核心にはたどり着けません。全体的にゆっくりした展開です。

千舟と玲斗の師弟関係のような会話が私は好きです。パーティーのための一帳羅を買ってもらい、箱根の高級ホテルに泊まり、千舟の家への出入りも許される。

徐々に生来の聡明さを現し始める玲斗と千舟の抱えている秘密。

その後の玲斗にいつかまた会ってみたいです