「ラストレター」岩井俊二
文藝春秋 2019年9月10日
映画「ラストレター」の監督自身によるノベライズ本です。
『君にまだ
ずつと恋してるって言ったら
信じますか?』
素敵ですね。こんな言葉を言われたい。ただし素敵な人限定です。言う方もまた凄いですね。
主人公、乙坂鏡史朗は高校時代の同級生で、生徒会長をしていた遠野未咲が忘れられません。2人は大学時代に付き合っていましたが、彼女は他の男性に奪われてしまいます。
彼女への想いを綴った初めての小説「未咲」。バイトをしながら小説家を目指す乙坂ですが、書くのは彼女の事ばかりです。
同窓会の知らせに、もしかしたら彼女に会えるかもしれない。そして小説家の夢も諦められるかもしれないと、乱れる気持ちで出席します。
けれどそこに表れたのは彼女の妹の裕里でした。実は未咲は子供2人を残し、不幸にも亡くなっております。裕里はその事実を告げるべく、また彼女にとって初恋の人である乙坂に会うべくやって来たのですが、皆に未咲に間違われてしまいます。乙坂は一目で見破ります。
そしてそこから姉に成りすました裕里と、乙坂の不思議な文通が始まるのです。裕里は結婚していて、娘も一人います。乙坂との事を勘違いした夫によりスマホが使えない状態になっております。だから手紙なのです。
そしてそこに、乙坂の手紙を偶然目にした娘達が、それぞれの母親に成りすまして乙坂へ出した手紙も加わっていきます。母親の昔を知りたい。その想いに応えて思い出を綴る乙坂。
全編を通して描かれているのは、乙坂のまるで少年のようにピュアな、未咲への溢れる愛です。とてもロマンチックです。
そしてこのお話には、お金持ちの友人を殺して彼に成りすます映画「太陽がいっぱい」のトム・リプレーの名が繰り返し出て来ます。興味を持たれた方は、ぜひこちらも観て下さい。後悔はしません。
「ラストレター」の映画も観たいです。どんな世界が広がっているのでしようか。楽しみです。
ご紹介映画🎥(^_^)v
「Love Letter」1995年 日本 監督 岩井俊二
第19回日本アカデミー賞作品賞
神戸に住む渡辺博子は、山岳事故で亡くなった婚約者の藤井樹が忘れられません。そんな彼女は以前、彼が住んでいた小樽の住所へ届くはずのない手紙を出します。
しかしそこには彼と同姓同名、しかも容姿は博子と瓜二つの女性が住んでいます。(中山美穂による一人二役)そして彼女は中学時代、樹の同級生でもありました。彼の昔を知りたい博子と、名前に纏わる思春期の苦い思い出を持つ樹の文通が始まります。
とても瑞瑞しく、美しい映画です。昔と今が交差するストーリーと、何といつても、登場人物の皆さまが美しいところが良いです♪中学時代の樹を演じる柏原崇がかっこいいし、樹の親友で彼亡き後の博子を見守る秋葉(トヨエツ)もひょうひょうとしていて魅力的。
ラストもとても素敵です♪
あなたもぜひ、どうぞ(^_^)v
余談ですo(*⌒―⌒*)o
「Love Letter」からは「ふたりのベロニカ」も感じるのですが、それは私だけでしょうか?