「どうしても生きてる」朝井リヨウ
幻冬舎 2019年10月10日
“ 生きづらさ生きづらさ生きづらさ。”
デビユー作「桐島、部活やめるってよ」しかり、この作者様の言葉の三連打は実に痛い。現代社会の空気感を切り取ったら超一級の作者様の小説が、更に進化した感じがします。題名からして凄いインパクト!今回はセクシャルシーンが濃厚なお話があります。お子様に勧めるかどうかは、必ずご自身で読んだうえでのご判断をお願い致します。
6編の短編小説です。今の自分の境遇に満足感が得られず、追い詰められて、それでも生きていくしかない人達(私達)のひりつくような痛みが生々しい。どこにでもありそうな日常だから、そのリアルさがより一層、痛みを引き出します。
変化のない日常。更新されなかつた派遣社員。同寮への裏切り。SNSで拡散された私生活。仕事上でのやむをえない不正。染色体異常の陽性判定がでた胎児。どのお話も答えはありません。
ページをめくる手を止めさせない、強力な磁力を放っているような文章です。
それでもラストの2ページは声に出して読めば、涙腺が刺激されそうな名文だと思います。
その痛みも、生きていればこそのものですね。
ご紹介本(^_^)v
「晴天の迷いクジラ」窪美澄 新潮社
2012年2月1日発行
2013年本屋大賞6位。こちらも痛いお話です。倒産した会社の女性社長、そこで働いていた若い社員、過干渉な母親に押し潰されそうな少女。うっすらと死を意識する3人が、ニュースで取り上げている、浜辺に打ち上げられ、身動きの出来ないクジラを見に行く道行きを描いた物語です。
誰でもふつと、消えてしまいたくなる時ってありますよね?
そんな気分の時に、あなたも、ぜひどうぞ(^_^)v
余談ですd(⌒ー⌒)!
この方達にぜひ、「マカンマラン」を訪れて欲しいです。超個性的な店主は、彼らにいつたいどんな言葉をかけるでしようか?